浄水寺跡(下郷神社)
浄水寺は、奈良時代末期から平安時代初期にかけて、この地で大きな勢力を誇った寺院です。境内には延暦9年(790)創建の碑、延暦20年(801)に建造された燈楼の竿石、天長3年(826)の寺領の碑、康平7年(1064)の如法経塔があり、また塔の跡と考えられる礎石群も残っており、碑文から、八代郡・益城郡・宇土郡にかけて388町もの寺領を持っていたことが判かります。天長5年(828)には定額寺となり、奈良時代の終りから平安時代の始めにかけての30数年間で肥後有数の大寺院に発展しました。今も塔の基壇や13の礎石が残り、当時の栄華をしのばせます。しかし研究者が調査を重ねても不明な点が多く、「幻の寺院」とも呼ばれています。浄水寺を開基した弉善大使は、八代郡泉村の釈迦院の開祖としても知られています。
引用元:熊本県ホームページ 2015/03/05