写真撮影をする際に「サイズの設定」というのがありますね。いわゆる撮影されたデータの大きさです。カメラによってL,M,Sなどと書いてあり、実際どの程度の大きさで撮影すればいいのか迷う場合があります。
この場合の理屈を書いておきます。
先ず、理解する必要があるのは、「解像度」です。実はパソコンのモニターなどで見ている場合は画像解像度という概念は複雑になります。
なぜかというと、モニターによって、元々の画素つまり表示される大きさ自体がまちまちなんです。
Windowsの場合ここで表示できるPixel数を変更できますから、同じサイズのモニターでも実測した解像度は変化します。
ホームページなどを見た場合、実際に表示されているモニターの中のページの横幅を実寸で図ると、パソコンによってそれぞれ大きさが違います。同じページを見ているのに横幅は違って表示されている。
これはマルチスキャン方式というものが導入された結果なんです。
しかし、紙にプリントアウトした時などに「解像度」は重要な概念になります。パソコン上の場合は解像度という概念より縦横のピクセル数(データサイズ)のほうが重要です。それでは先にデータサイズと画質の考え方。
1.データサイズの考え方
カメラにはデータのサイズとして、先のL,M,Sというような表記以外に実際のピクセル数(画素数)も書いてあります。こちらのほうが重要です。例えば4000 pixel(ピクセル)*3000 pixel という感じです。簡単に言えば 縦横、4,000個の点と3.000個の点で成り立ってるよという意味ですね。勿論この個数が多いほうが大きなデータです。
2.画質の考え方
データのサイズ以外に品質、画質というような項目もあります。これには高、中、低とかFine, Normal, Basicなどと書かれていますが、これはJPEGの圧縮率です。「高」と書かれているから高圧縮というわけではなく、高画質ということで、あまり圧縮されていません。
だから、「高」または「Fine」の方が画質は良いわけです。その分データは大きくなります。
3.実際紙に焼く時の設定は?
さあ、ここまで理解して実際に紙にプリンターで出力するときにはどんな設定にすればいいの?という疑問が生まれます。何でもかんでも最高画質にすればいいというものでもないですね。その分あっという間にバックアップがいっぱいになります。
それでは乱暴な書き方します。概念を単純化して覚えやすくするためです。
Aパターン:A4サイスの紙(写真で言うとほぼワイド6切り)にプリンターで書き出す場合の長辺サイズは?
30cm/2.4cm*240dpi=2,8340pixle
という計算式から長辺が大体3000pixleあればいいという事になります。(計算式の意味は後ほど。)
画質は出来るだけ高画質がいいでしょうが、中程度でも多分ほとんど見分けはつきません。
Bパターン:A4サイズの商業印刷物に使う場合は?
30cm/2.4cm*350dpi=4,133pixle
ということでだいぶ大きいです。商用印刷物の場合には大きな画像が必要になります。
画質は高画質にしてください。
さてここでさっきの公式の説明です。
公式を日本語に直すと
「長辺の長さをインチの単位に変換して、必要な解像度を掛ける」
ということになります。1インチは約2.54cmなんですけど、なんで関係あるのか?
それは解像度の単位である dpi (ppiとも書きます)の単位がインチで換算されているからです。例えばインクジェットプリンターに必要な解像度(画像の密度)は概ね 240dpiと言われています。(実際はプリンターの能力によって様々)これは1インチ(約2.54cm)の幅に240個の点が存在する密度を指します。dpiは dot/inch の略なんですね。
そこで、プリンターに必要な密度は 240dpi 印刷に必要な密度は 350dpi 画面用なら 72dpiとなります。
だとすればこの公式を覚えておけばOKですね。
インクジェットなど家庭用プリンターの場合、長辺/2.54*240・・・ってことは 長辺の100倍ですので、30cmの場合は 3,000ピクセル弱
商業印刷の場合、同じく結局 長辺の145倍程度です。 30cmの場合は 4,133ピクセル
なので、以下の様に覚えておけばいいですね。
インクジェットプリンターで印刷する場合はその長さ(cm)の100倍。印刷の場合150倍(少し余裕持って)のピクセル数が必要ということ。
PS.神戸様の指摘で少し計算式を修正いたしました。神戸さんありがとうございました。